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一ノ瀬謹和

アイドルを追う者たち、ZINGSファンのアイドルオタク

読者のみなさんにはお馴染みの仁淀オタの3人、河川敷、しぐたろ、ツギコが出てきたことでで、面白さのギアが一速上がった感じがありました。仁淀くんたちアイドル側の話中心だったところに、ファンという外の視点を取り入れようとなったのはどういう流れで?

3人の言動、つねにわかりみが深い

肘樹
読み切りの段階で、すでに河川敷さんはいたんですけれど、当初彼女は特別なキャラでもなく、私の中の「普通のオタク」だったんです。オタクってこういう感じでしょ? と思って描いたら、予想以上に「このオタクが面白い!」と反響があって、そんなに!? と。

本間
先生が「アイドルは、アイドルとアイドルを追う者、両方の関係性の中で生まれていくものだから」とおっしゃっていたので、彼女たちをレギュラーにすることについては、必然性を持ってやりましょうと言えましたね。

肘樹
今思えばこじつけのような気がしますが……(笑)。でもどうしてもオタクの話をやりたいよね、なぜなら私が楽しく描けるから。まだ5話なのに外部の話をやってていいのか? とも思ったんですが、描きたかったので描きました。

河川敷は肘樹先生の思う「普通のオタク」ということですが、肘樹先生の分身みたいなところもあるんですか?

肘樹
やっぱり一番動かしやすいのは河川敷ですけど、あの3人は全員分身ですね。一般的なオタクの基礎の部分であるしぐたろに、(推しに対して)お金をいくら使ってもいいと思ってるツギコ。河川敷は盲目担当です。

この3人が合体すると肘樹先生が生まれると。

肘樹
そうですね。

居酒屋とは思えないほど、毎回とてつもない躍動感を出す3人

この3人も相当強いオタクだと思うんですけど、3人合体すると出来上がるって、めちゃくちゃ強い……。

肘樹
おこがましい話ではあるんですけれど(笑)。でもこの回は本当に描いてて楽しかったですね。ノリノリでした。飲み屋でオタクが話してることほど面白いことはないと思っています。

本間
この話の反響として、「3人の喋ってることを通してZINGSの魅力がわかった」という声もあったので、意味のある話だったと思いますね。

肘樹
あんまりイケメンが描けないんですよねっていう話を本間さんにしたら、「二次元のキャラは大体顔が良いから、まわりのキャラに顔が良いって言わせれば大丈夫」って言われて、なんて良いこと言うんだ! 最高! と思った記憶があります。そういうこともあって、あの話は出来たと思います。

主人公たちを観察する外部のキャラクターであり、言うこと成すこと一々「わかりみ」が深いZINGSオタク三羽烏。こんなにリアルなアイドルオタクが描けるなら、きっと肘樹先生も相当なアイドルオタクに違いない……、と思っていたら、実は肘樹先生はアイドルを全く追っかけていないという。

意外ですよね。アイドル好きあるあるが作品に入っているので、先生も強めのアイドルオタだと思ってらっしゃった方も多いと思います。

顔がいいので正面から撮影すると顔が光ってしまう(ライトが反射してしまう)ZINGSのふたり

肘樹
現実の人間の顔、あまり見分けがつかないんですよ。アイドルもグループの中でひとりだけ髪が短いとか、ひとりだけ金髪だったらわかるんですけど、「全員可愛いねえ……」って感じで。ただ、オタクってどのカテゴリでも、こじらせていくと姿としては似ると思うんです。なのでアイドル現場の文化を勉強して、(自身のオタク経験と)ミックスしたものを描いてある感じです。

そうとは思えないですね(笑)。

肘樹
だから、みなさんが食べていたのは偽物で……(会場笑)。

本間
偽物ではない(笑)。

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©いそふらぼん肘樹/一迅社2019
写真撮影:BOOKMARK浅草橋