明日発売の新刊レビュー
『ロッキンユー!!!』石川香織 「ロックなんかキモい!」でもかっこいい根暗オタクとド素人の音楽青春物語
たまごまご
少年たちの、キモいけどかっこいいオルタナティブ・ロック
音楽に惹かれる理由はたくさんある。モテたいから。かっこいいから。そして、何か心に刺さっちゃったから。
モテない音楽にのめりこむ少年たちを描いた、石川香織氏の初連載『ロッキンユー!!!』単行本第1巻が明日6月4日に発売になる。
2017年8月26日に集英社が運営する漫画投稿サービス「ジャンプルーキー!」に読み切り『ロッキンオン!!!』として投稿されるや、Twitterで一気にバズり、2018年4月7日からは現在のタイトルで、「少年ジャンプ+」にて連載されている作品だ。
ひとりにだけ刺さった音楽
高校デビューを狙っていた少年・真神たかし。
彼が部活紹介で見たロック研究会の先輩・不二美アキラは、薄汚くて根暗でボソボソ喋る、オタクっぽい人間だった。
不二美はステージでひとり、ギターを音量最大でかき鳴らし、歌った。曲はNUMBER GIRLの「透明少女」。
彼の演奏はやかましく、ほとんどの生徒の興味を引かなかった。しかし、真神にだけ、刺さった。真神は、ロック研究会の扉を叩く。
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©石川香織/集英社