yomina-hare編集部の日常
新年のご挨拶
籠生堅太
2018年もよろしくお願いいたします
みなさま、新年あけましておめでとうございます。
おかげさまで「yomina-hare」も2回目の年明けを迎えることができました。
これも読者のみなさまと、記事作成にご協力いただいております漫画家、各出版社のみなさま、そして漫画に携わる数多くの人々のおかげです。ありがとうございます。
昨年も、数多くの漫画家がデビューされました。
面白いものがあふれかえる世の中で、漫画を手に取ってもらうことの大変さは年々厳しさを増しています。
そうしたなか漫画の世界に、覚悟を持って飛び込んできてくれた新人漫画家を応援したい。そして、そんな漫画家の作品と読者をつなぎたい。
「yomina-hare」を立ち上げたときの衝動を忘れることのなく、読者のみなさまと向かい合っていければと思います。
あらゆるものが消費されつづける世の中で
昨年レビューを掲載した作品は、単行本が重版するなど好調なものもある一方、連載終了したものも数多く存在しました。
作品の新陳代謝は年々そのスピードをあげ、漫画にかぎらず、アニメ、ゲーム、映画、その他の多くの物語の消費される速度は加速するばかりです。
また昨年は、作家側から漫画業界への疑問が噴出した年でもありました。
彼らの訴えが事実だとするならば、そのひとつひとつは慎重に議論されるべきことです。しかし、どれもSNSで一瞬の盛り上がりをみせるばかりで、翌週にはそんなことなかったように、人々の関心が別の問題に移っていく状況には、危機感を覚えました。
このように物語だけでなく、ありとあらゆることが、ものすごいスピードで消費されるようになった世の中で、「yomina-hare」に何ができるのか、どこを目指すべきなのか。それは常に考え続けなければいけない課題です。
何かを見つけたときの喜びを
そんななかで、予想外の動きを見せた記事がいくつかありました。『サイソウラヴァーズ』『サラブレッドと暮らしています』などの連載終了した作品のレビュー記事です。
『サイソウラヴァーズ』江唯みじ子 娘を殺したのは私?自分自身と未来を変えるSFラブストーリー
田村正一『サラブレッドと暮らしています。』 馬に蹴られて休載!? 現役厩務員、漫画家デビュー!
『サイソウラヴァーズ』は、「Renta!」「めちゃコミック」などの電子書店での広告掲出をきっかけにアクセスが急増、『サラブレッドと暮らしています』は毎週の競馬中継にあわせてコンスタントに見ていただけているという状況が続いています。
この状況をみて、以前取材させていただいた往来堂書店の三木さんがおっしゃっていた「作品を知ったその日が刊行日」という言葉を思い出しました。
単行本刊行から半年以上も時間のたった作品でも、それについての情報を求めている読者が、今も多数存在するということです。
棚には独自のテーマがある。 往来堂書店 三木さんのおすすめ作品
新人漫画家の魅力をいち早く読者に伝えることを目指してスタートした「yomina-hare」の記事は、当然ニュースとしての側面も持っています。
そのため記事公開から時間がたつにつれ、PVは落ちるという予想をしていました。事実、初年度はそうした動きを見せていたのですが、ちょうど1周年を迎えた9月ごろから、どの記事も中長期での動きが活発になってきています。
新しく、何かを見つけたときの喜びは、とても大きいものです。
それは刊行から間もない作品でも、刊行から時間のたってしまった作品でも変わりません。
これまで以上に「yomina-hare」の記事が、読者が漫画を手にとるきっかけになれるよう、2018年も手探りしつつ、前に進んでまいります。本年もお付き合いいただけましたら幸いです。