明日発売の新刊レビュー
成平こうじろう『ぼくの姫島くん』 女装男子に惹かれるのは、変態なのか?
小林聖
学園のアイドルという幻想を打ち砕く、悪夢の秘密
学園のアイドルの秘密を知ってしまって急接近……。すべての男の子の夢である。ただし、知らなければよかった秘密というものもある。
4月20日に発売される成平こうじろう氏の初単行本『ぼくの姫島くん』は、まさにそんな「知らなければよかった秘密」を知ってしまった少年のラブコメディだ。2013年から「別冊花とゆめ」に不定期掲載され、第1話から4年の歳月をへての単行本化。待ち望んでいた読者も多いことだろう。
美少女にボクサーパンツ!
成績優秀、運動神経抜群、誰が告白しても振り向かない学校一の美少女・姫島アキラ。そんな彼女に恋をする地味なメガネ男子・古賀は、ある日姫島さんの秘密を知る。それは彼女が実は男であるということ。
しかも、本当の「彼女」は普段の天使のような振る舞いとは真逆で、自分の一挙手一投足に右往左往する人々を見て楽しむ悪魔のような性格であることもわかってしまう。
ところが、悲しいかな、「姫島くん」は美少女である。しかも、一度恋した美少女だ。存在しない「姫島さん」への恋心を捨てきれないまま、古賀は「姫島くん」に振り回されることになっていく。
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©成平こうじろう/白泉社(別冊花とゆめ)