1. PR

    作家インタビュー

    『剥き出しの白鳥』鳩胸つるんインタビュー 「『ToLOVEる』よりも裸」から白鳥くんは生まれた

    籠生堅太

  2. PR

    明日発売の新刊レビュー

    『剥き出しの白鳥(はくちょう)』鳩胸つるん 異端の「露出狂」漫画は、王道少年漫画だ!

    籠生堅太

  3. PR

    新連載レビュー

    『キャッチャー・イン・ザ・ライム』背川昇 般若、R-指定が監修の百合×ラップな新連載

    一ノ瀬謹和

  4. PR

    明日発売の新刊レビュー

    『ブルーピリオド』山口つばさ 才能にノウハウで立ち向かう美大受験物語

    根本和佳

  5. PR

    新連載レビュー

    『水族カンパニー!』(イシイ渡) 偏愛獣医×ドジっ子飼育員の水族館コメディ

    根本和佳

  6. PR

    明日発売の新刊レビュー

    脇田茜『ライアーバード』音が見える天才少女と無愛想なギタリスト。2人の出会いが生む音楽

    たまごまご

明日発売の新刊レビュー

ドードー鳥の若奥様と歳上旦那様の微笑ましい日々『奥さまはドードー鳥』メノタ

籠生堅太

とびきり可愛いドードー鳥の新妻さん

夏彦さん(36歳)ももねちゃん(19歳)は、少しだけ歳の離れた新婚夫婦。夏彦さんは人間、そして新妻のももねちゃんは鳥、それも絶滅したはずのドードー鳥だ。
何を言っているのかわからない方も多いと思うが、この作品世界において人間と鳥が結ばれることは、私達が外国の人と結ばれるよりもずっとずっと一般的なことなのだ。

ももねちゃん(ドードー鳥・19歳)と夏彦さん(人間・36歳)の新婚夫婦。2人の暮らしは幸せがいっぱいだ

pixivコミック「クロフネ」に掲載されたメノタ氏『奥さまはドードー鳥』が大量の描きおろしを加えて単行本化、明日3月23日に発売される。“可愛いすぎる奥さん”として、多くの読者を魅了したももねちゃんの愛くるしい姿を堪能してください。

ももねちゃんは可愛い“女の子”

ドードー鳥のももねちゃんには、もちろん動物としての愛らしさがある。もこもことした羽毛に包まれた姿は、それだけでキュートだし、走るのが苦手だったり、空が飛べなくてしょんぼりしたりとドードー鳥ならではのエピソードも描かれている。

けれどそれ以上にももねちゃんは、可愛い19歳の女の子なのだ。
夏彦さんがお土産で買ってきてくれたプリンに喜んだり、好きな映画の話を楽しそうにしたり、たまには怒って家出を試みたり……クルクルと表情が変わる彼女を見ているのは楽しい。

鶏鍋……そのまま食卓に上がってしまいそうな勢いのももねちゃん。このあと夏彦さんにめちゃくちゃ写真を撮られた

料理が好きで、豪華じゃないけれど丁寧なお弁当を作ってくれたり、迷子の子どもを放っておけなかったり。優しいご両親(ご両親はモズ! この世界では、人から鳥が、鳥から別の種類の鳥が生まれてくることも)に大切に育てられたももねちゃんは、女性としても十分に魅力的だ。

1人(?)の女性として、夏彦さんはももねちゃんを大切にしている

そう。“ドードー鳥だから可愛い”んじゃない。“可愛い女の子が、ドードー鳥だからさらに可愛い”のだ。
夏彦さんが彼女のことを好きになったのも納得ができる。

素敵な新婚さんの物語

夏彦さんとももねちゃんを見ていると、とても穏やかな気持ちになってくる。2人がお互いを大切に思い、2人の時間を大切にしていることが伝わってくるからだ。
それを支えているのは、ももねちゃんの可愛さではなく、一生懸命で優しい夏彦さんの姿だ。

ソファに並んでいるときに、そっとももねちゃんを抱き寄せる夏彦さん。普段はあまりメイクをしないももねちゃんを可愛くしてあげとうと、お化粧を勉強する夏彦さん。ちょっと残念なプロポーズをしてしまったので、改めてきちんとプロポーズしようと頑張る夏彦さん。
『奥さまはドードー鳥』は、ももねちゃんの可愛さを堪能させてくれると同時に、一組の素敵な夫婦の暮らしの暖かさを分け与えてくれる。

結婚前夜。幸せの絶頂の2人だけれど、流れる空気はいつもどおり穏やかなもの

「奥さまが鳥」というパンチの効いた設定のせいで、ただ奇をてらっただけの作品と思っている方もいると思う。けれど本作が多くの支持を得ているのには、きちんと理由があるのだ。
この温かくて優しい物語が、ひとりでも多くの人のもとに届くことを願う。



試し読みはコチラ!

©Menota/libre 2017