明日発売の新刊レビュー
『エンコイ』空翔俊介 恋する少年少女のハイテンション胸キュン漫才ラブコメ
たまごまご
ハイスピード方言イチャイチャ
各話20ページ未満の短編。その中で繰り広げられる掛け合いのテンポがものすごくいい。
とし「どんなちさとでも俺は…大好きやけどな?」
ちさと「やだ…ととしくぅん…まさかぁ…やっと…やぁっと…うちにメロメロn…」
とし「て言うたら機嫌直るやら?」
ちさと「知ってた そうくるって知ってた!!」(3話より)
ちさとの構え方、としのじらし方。ツーカーだ。
キャラクターたちの岐阜が、作品のドライブ感にブーストをかけている。
茶化しちゃうのは照れ隠しゆえなのもある。付き合ってまだ間もない、キスもしていないふたり。お互い好きだって伝えようとするけれども、先に冗談が出てしまう。
だから毎話ラストで、としくんもちさとも、ごまかさずにきちんと気持ちを伝えようと努力する。
真面目になるとついついふたりとも赤面。
ちさとが暴走列車すぎるので、それをいなすとしが大人っぽく見えるシーンが多い。
けれども彼だって、男の子。ちさとのことが大好きで、すごくドキドキしている。必死に隠しているだけだ。
女の子も男の子も、恋をしている時とってもかわいい。
青春は暴走だ
付き合っていてもいなくても、恋の話をして気持ちがアガっている状態自体が、幸せなのが伝わってくる。
ちさとやちび子たち以外にも、色々な少年少女ペアが登場するこの作品。どのペアも、ボケとツッコミ、からかいとからかわれのじゃれあいがリズミカルに描かれており、いずれも終始アッパーなノリだ。
暴走は、青春の特権だ。
でかい声で「好き」と叫んでみんなに聞かれたり、お弁当をあーんして食べさせろと叫びながら詰め寄ったり。バカップル以前のおバカ行動が多い。
ムダに激しすぎる会話のやりとりは、気持ちが高ぶる恋を謳歌している証拠。
色んなキャラによる、バリエーション豊かなカップル漫才、期待しています。
KADOKAWA / 角川書店 (2017-12-26)
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©Syunsuke SORATO 2017