1. PR

    作家インタビュー

    『剥き出しの白鳥』鳩胸つるんインタビュー 「『ToLOVEる』よりも裸」から白鳥くんは生まれた

    籠生堅太

  2. PR

    明日発売の新刊レビュー

    『剥き出しの白鳥(はくちょう)』鳩胸つるん 異端の「露出狂」漫画は、王道少年漫画だ!

    籠生堅太

  3. PR

    新連載レビュー

    『キャッチャー・イン・ザ・ライム』背川昇 般若、R-指定が監修の百合×ラップな新連載

    一ノ瀬謹和

  4. PR

    明日発売の新刊レビュー

    『ブルーピリオド』山口つばさ 才能にノウハウで立ち向かう美大受験物語

    根本和佳

  5. PR

    新連載レビュー

    『水族カンパニー!』(イシイ渡) 偏愛獣医×ドジっ子飼育員の水族館コメディ

    根本和佳

  6. PR

    明日発売の新刊レビュー

    脇田茜『ライアーバード』音が見える天才少女と無愛想なギタリスト。2人の出会いが生む音楽

    たまごまご

明日発売の新刊レビュー

『ファラ夫』和田洋人 エジプトのファラオが蘇り、国分寺でアパート暮らし

小松良介

ファラ夫パイセンから漂う圧倒的庶民感

たしかにファラ夫の登場シーンは強烈だった。連載当初は謎めいた存在として奇怪な言動が目立ち、吹き出しには象形文字が溢れかえっていた。当然、調査員たちは怯え惑っている。

象形文字を連発するファラ夫さん。ただし女性には優しい(下心あり)

でも、第7話で本人自ら「オレも気がついたら一発屋芸人の扱いだった…」と心境を吐露したように、どんなに異様なキャラクターもいずれは飽きられてしまう。
作中のファラ夫も例外でなく、コンビニバイトをしながら狭いアパートで庶民的な生活をすごすことに……。なぜか「漫画家になる」という夢を追いかけながら。

もう、こうなってくるとファラ夫の見た目は『アフロ田中』シリーズでいうアフロみたいな、些細なチャームポイント程度でしかない。

存在しているだけでジワジワくる

とはいえ、読者はそうもいかない。
無表情のファラ夫が当たり前のようにタバコをふかしたり、マスクのアゴひげがスマホになったり、銭湯でのマナーに厳しかったり、歯医者で虫歯治療をされたり……。そんな光景を見せられてツッコまずにはいられない。

銭湯でもマナーを守るファラ夫さん。今の時代、他人に説教もできるナイスガイな一面もある

そうか、これは完全にコントの世界だ。
テーマはあくまで身近なもので、そこにファラ夫が緩急とギャップを作りながら笑いを生み出していく。それもこれもファラ夫というキャラクターが見た目・性格ともに確立されている賜物だろう。

ここまで来れば、この先たとえ再び眠りについて未来編が始まろうが、ファラ子なるヒロインが出てこようが関係ない。ファラ夫がいるかぎり安泰だ。
彼の一挙手一投足に悪態をつきながらもニヤリとする他にない。



試し読みはコチラ!

  1. 1
  2. 2

©和田洋人/講談社