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『机上の九龍城』長沢13センチ 喧嘩よりも下ネタとエロ。ヤンキーだって男子高校生だ

小松良介

喧嘩よりもダベリたいヤンキー3人組

「強さこそすべて」というワル共の吹き溜まり、楢蔵(ならくら)高校。通称ナラク。
喧嘩自慢の不良たちがテッペンを目指して拳で競い合う不良高校で、最強の地位に一番近い男たちがいる。

九門晋平太(くもん・しんぺいた)
龍崎蓮治(りゅうざき・れんじ)
城嶋保(じょうしま・たもつ)

3人の頭文字をとって、名付けて「九龍城(クーロンじょう)」。東洋の魔窟と呼ばれ、90年代まで香港に実在していたスラム街にちなんだネーミングだが、九龍城トリオは不良たちが集うナラクの中でも特に恐れられているのだ。

喧嘩は強いが、残念な性格の九龍城。九門は喧嘩が一番強く、龍崎はやや変態上級者。城嶋は「めっちゃええや~ん」が口癖

そんな九龍城にいよいよ訪れたナクラ頂上決戦。敵対グループのトップが睨みを利かせる中、彼らはまるで気に留めることもなく下ネタトークに夢中で……。

「チャンピオンクロス」「月刊少年チャンピオン」に掲載されている長沢13センチ氏の連載デビュー作『机上の九龍城』は、下らない与太話に花を咲かせるヤンキーたちを描いたコメディ。明日、11月8日には第1巻が発売される。

野郎同士の会話は蜜の味

いきなり話は脱線するが、最近イギリスのベッドフォード大学で「男性は女性とのロマンスよりも、男性同士の友情関係の方がより親密で満足度が高い」という研究結果が発表されたという。

聞くだけでテンションが爆上がりする人がいそうなネタではあるものの、九龍城トリオたちを見ていると少し納得してしまう。野郎同士でする下世話なトークって異様に盛り上がるものだ
誰かが何か武勇伝を披露しようものなら、「俺の方が~」となぜか見栄を張って話を盛りつつ、マウントを取りに行ってしまう。男だったら(男じゃなくても)思春期どころか現在進行形で体験したことがあるはずだ。

VRをしながら城嶋のおっぱいをもみもみ。ヤンキーならではの行動力に馬鹿馬鹿しくも笑ってしまう

第1話では、「もしも“おっぱいもみもみライセンス”をもらえたら」というテーマの下、トリオが次々と下らない妄想を披露していく。
こういったトークでは、後出しするほど変態性が増していくもの。案の定、トリをつとめた龍崎の「(美人の英語教師に)怒られながらめっちゃもみたい」はメンバーの同意を得ることができなかったが、発言した龍崎はドヤ感に満たされていそうだ。
ちょっと腹立つけど、そんな彼らの関係性はとても楽し気でうらやましくもある。



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©長沢13センチ(秋田書店)2017