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『ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画』インカ帝国 ゾンビ×ラップ!?先の読めないフリースタイル漫画

小松良介

タイトルだけで内容が分かる

『ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画』という漫画がある。

インカ帝国氏が過去に漫画投稿サイト・新都社(にいとしゃ)「週刊少年VIP」掲載していた作品をセルフリメイクして、2017年6月から「LINEマンガ」で連載開始。明日11月15日に第1巻が発売される。

ラッパーに喰われたものは、ラッパーになる。何故、ラッパーなのか? そんな無粋なことは何ひとつ語られない

タイトルを見れば「どんな漫画か?」なんて言わずもがな。
実にライター泣かせな作品であるが、ここはめげずにもう少し書いてみたい。実際に読んでみると、これが何とも不思議な魅力の詰まった作品なのだ。

街中がラッパーでいっぱいだYO……

舞台は20XX年。感染するとラッパーになってしまう謎の「RAPウィルス」が蔓延して、日本中は地獄のクラブハウス(原文ママ)と化してしまう。
物語はパンデミックから1年後、長男・育(いくむ)を探すため田舎から都会へとやってきた地方訛りの抜けない親子、稲穂茂(いなほ・しげる)みのりを中心に幕を開ける。

行方不明の家族を探しに、人外がはびこる街へ侵入。ゾンビもののプロットを自然に取り入れるストーリー

本作のベースにあるのはゾンビだ。いわゆる映画監督のジョージ・A・ロメロが生み出したゾンビ像で、先日のハロウィンでも仮装姿がチラホラ見かけるほど一般的に広く親しまれている。
本作では「RAPウィルス」に感染してラッパーになってしまった者は、見た目や言動がラッパー風になってしまう。
ゾンビ同様にラッパーに噛まれたものはラッパーになってしまうなど、パンデミック的な広がりをみせ、肉体的ダメージでは死なないず、ラップバトルしか倒せないという制限もゾンビに通ずるところがある

炎に包まれるラッパー。この状態からでもマイメン(仲間)のリスペクトラップで復活してしまう。ラッパーは不死に近い

逃げ場を失って覚悟を決めた茂は、みのりが見守るなか、ラッパーにフリースタイルバトルを挑む。
意外な人物が強キャラというパターンか? と期待してしまうが、出てきた言葉は「YO」と「ガム噛む」だけ……。ワック(最悪)と罵られながら無残にもラッパーたちの餌食となってしまった。即興ラップは技術とセンスの蓄積であって素人じゃ無理なんだと思い知る瞬間でもある。



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