明日発売の新刊レビュー
『美軍師張良』秦和生 伝説の美形軍師、始皇帝を暗殺?古代中国史コメディ
武川佑
のちの英雄たちの、始まりの時代
あの『キングダム』でもおなじみ、中国を統一する秦の始皇帝。
始皇帝が周囲の国々を次々に制圧したことで、彼を倒そうとする者もまた生まれた。
熱い想いを秘めた「次世代の英雄」を、策略で導いた伝説の軍師、それが張良(ちょうりょう)、字(あざな)を子房(しぼう)という。
クスッと笑えて、歴史のことが自然にわかる。
秦和生(はた・かずき)氏が「まんがタイムオリジナル」で連載中の古代中国史4コマ、『美軍師張良』の単行本第1巻が明日、11月7日に芳文社から発売される。
『キングダム』などで古代中国史に興味を持った人にも、おすすめしたい。
歴史って難しそう……な人におすすめです
歴史って難しそう……おじさんばっかりなんでしょ? 漢字の名前覚えるの苦手……人物いっぱい出てくるし……。
そんな人にこそ、本書をおすすめしたい。
美形で、病弱で、思ったらとことん一途な張良さんが、祖国を滅ぼされて「始皇帝を殺(や)ってやる!」と暗殺を決意。
行くさきざきで色んな人に出会い、どたばたに巻き込まれる(だいたい巻き込む)お話です!
張良は秦の隣国、韓の名門貴族の生まれ。
秦の侵攻で国は滅び、張良は「秦王(のちの始皇帝)を暗殺する」という強い決意を秘め各地を放浪する。
シリアスなあらすじだが、4コマでテンポよく、ギャグを混じえて話が進むので、重くならずに読むことができる。
のちの天才軍師も、この時は戦場を知らないお金持ちの病弱青年。
今に残るエピソードを織り込みながら、「秦王を暗殺する! 祖国を復興する!」という熱意で体当たりで進むから、ハラハラの連続だ。町につくとすぐ寝込んでしまうし。
大丈夫ですか張良さん、歴史に名を残せますか!?
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©秦和生/芳文社