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『HOTEL R.I.P.』西倉新久 死者の心残りを解消する、前向きな生と死のオムニバス

武川佑

死んでから見つける、最高の友達

私が特に好きなのは3話目の「西九条まなと牛田桃華」だ。
トップアイドルで天真爛漫な「まなっぺ」こと西九条と、ねじ曲がった性格の牛田。
真逆すぎるふたりが、かみ合わないながらも仲良くなっていくのが面白い。

自分を認められない牛田のネガティブさが個人的にわかりすぎる。クセあるキャラクターたちに、読みながら共感していける

牛田と西九条がお互いを認め、ホテルを満喫するシーンに、ほっとした。
「最期」に、彼らが相部屋のパートナーへ贈る晴れやかな言葉は、すがすがしい。

明日の宿泊客は自分かもしれないから

死を扱った作品は、読むのに体力がいることもある。

しかし『HOTEL R.I.P.』は一味違う。デフォルメされた表情豊かなキャラクター、巧みなストーリーテリング。この作品は、軽快に前向きに、かつ中身は薄くならず、生と死を扱っている。
ラストにおまけ的に挿入される楽しい1ページマンガ「ANOTHER LIFE」が、私は大好きだ。別の世界線で、幸福な人生を送るふたりに、頬がゆるむ。

心残りが何かに気づき、やり遂げた宿泊客は、いい顔をして「チェックアウト」してゆく。そのサポートをするのが迎の役目だ

迎をはじめ、フロントと送迎係の閾(しきみ)、新人の舳(みよし)など、個性豊かなホテルスタッフがホテルに勤めるようになった経緯も、今後気になるところ。

もしかしたら、明日の宿泊客は「自分」かもしれないから。
心残りは何だろう。
単行本を閉じたとき、暗くならずに、しみじみ考えることができる。



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©西倉新久(秋田書店)2017