明日発売の新刊レビュー
『文野さんの文具な日常』榎本あかまる 文具フェチな無愛想美人の恍惚の表情
yomina-hare編集部
懐かしさが、さらに彼女を可愛く見せる
鉛筆に、消しゴム、筆箱……文具にまつわる思い出を、誰もが持っているはずだ。
ただ文具は多種多様。移り変わりの激しい子どもの流行に合わせて作られているため、存在すら知らない文具も山のようにあるはずだ。
しかし『文野さんの文具な日常』に登場する文具が知らないものだとしても大丈夫。
文具遊びに興じる文野の姿だけではなく、彼女を眺める牧田の文具にまつわるエピソードも丁寧に描くことで、彼の子どもの頃の体験を通して、読者に郷愁感を体験させてくれる。
読んでいると、ついつい子どものころの気持ちを思い出してしまう。
女子の名前を呼ぶのも恥ずかしかったあの頃。
そんな気持ちで読むからこそ、文野が笑っているだけで、ドキっとさせられてしまうのかも。
徳間書店 (2017-06-20)
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©榎本あかまる/NSP 2016