明日発売の新刊レビュー
『指先から滑り落ちるバレッタ』つつい いじめに援交、男とセックス……異色の百合短編集
たまごまご
ぎょっとする題材が盛り込まれた、異色百合短編集
友達とつるんで、陰湿ないじめを続けていた少女。
援交現場をいじめていた子に目撃されてから、彼女の学校生活は一変してしまう。
『ジャックポットに微笑んで』につづく、つつい氏の2冊目の単行本『指先からから滑り落ちるバレッタ』が明日、12月18日に発売される。
同人誌との再録だった前作とは異なり、「コミック百合姫」に掲載された読み切り4つをまとめた短編集は、、プロの漫画家となったつつい氏の第一歩とも言える。
一迅社 (2017-12-18)
売り上げランキング: 25132
偽りの友達と恋心
表題作「指先から滑り落ちるバレッタ」は、エグいいじめのシーンから始まる。
高浜美雪(たかはま・みゆき)は、友人と一緒にクラスメイトの永野加奈(ながの・かな)を日々ひどい目にあわせていた。制服を目の前で切り刻む美幸の所業には、さすがに友人たちもドン引き。
いつも羽振りがいい美雪。「お嬢様」という設定だが、実は中年男性と援助交際を繰り返していた。
美幸はある日、援交相手とホテルから出た瞬間を、加奈に見られてしまう。
加奈は自分に恨みがあるに違いない、このままでは援交のことをバラされてしまう、と焦る美雪。
しかし加奈は、秘密を守る代わりに友だちになってほしい、と提案した。
次の日から学校で、手のひらを返したような、仮初の友人関係が始まる。
- 1
- 2
©つつい/一迅社 2018