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『にじいろフォトグラフ』倉崎もろこ 金髪碧眼幼女が、内気な女子高生を変える

たまごまご

写真に残したいあの子との触れ合いの時間

いつも疑心暗鬼で、人と目を合わせることが極端に苦手な葵(あおい)
家で預かることになった5歳の幼女と触れ合った時、初めて「自分に自信を持ちたい」と思うようになった。

キラキラ笑顔の金髪幼女を中心に、歯車が回り出す

「まんがタイムきららフォワード」で連載されている倉崎もろこ氏『にじいろフォトグラフ』、その単行本が、明日12月12日に発売される。

子どもを描くということ

前髪で目を隠すのは、人と目が合わなくてすむから。
山吹(やまぶき)葵は誰かに顔を見られるのを嫌がっていた。青い目がコンプレックスだったからだ。
コミュニケーションが苦手な彼女が出会ったのは、泣きじゃくる金髪の幼女・サラ
葵はサラを喜ばせたいと思い、ひまわり畑につれていく。

サラも葵も、ふたりとも目が青い。
純粋なサラの笑顔を見て、後ろ向きな自分を変えたいと彼女は願い始める。

目を伏せていた少女が見たのは、ひまわりと眩しい笑顔

サラは周囲のキャラクターの心を刺激する、純真な存在だ。
ただし彼女は、ストーリーを進めるための都合のいい道具ではない。血の通ったひとりの人間だ。

人見知りが激しかったり、余計なことを言ってしまったり、突然迷子になって、まわりを慌てさせたりする。怪我も多い。
そんな「子どもならではの危うさ」もきっちりとおさえることで、サラのかわいらしさがより一層引き立っている。

ハツラツとして見えて、実は自分の主張が言えないさみしがり屋のサラ

かと思えば、葵の前でも、迷惑をかけないような立ち回りをして他人を気遣う姿を見せてくれたり、母親を亡くしたばかりのさみしさが透けて見えることも。

そんなふうにサラは、様々な感情を備えたひとりの人間として描かれている。
ネガティブな葵が惹かれ、自分を変えたいと願うようになったという説得力が、サラというキャラにはある。



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©倉崎もろこ/芳文社