明日発売の新刊レビュー
『美希ちゃんいよいよOUT!』カミタニミキ 初連載は遺書?赤裸々すぎる崖っぷちエッセイ
yomina-hare編集部
ギリギリアウトな日々をそのままお届け
トイレットペーパーが買えなくなるほど、同人誌を買い漁る。
異性との接触が皆無なため、パート先の人妻に性欲が向かってしまう。
全パンツの局部にカビが発生し、それが原因で性病の危機に晒される。
端から見れば震えるほど危うい人生を送る著者の行動は、常に想像の斜め上。思わず笑いがこみ上げてくる。
「コミックNewtype」で連載された『美希ちゃんいよいよOUT!』は、著者・カミタニミキ氏のギリギリの日常が赤裸々に描かれたエッセイ漫画だ。
明日2月10日に単行本が発売。カミタニ氏にとっては初単行本となる。
KADOKAWA / 角川書店 (2018-02-10)
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遺書のつもりで描いていた!?
知人にすら言えないようなことも、すべてさらけ出したこの作品。
描かれているエピソードは、どれも真剣な顔で相談されたのなら、思わず黙り込んでしまうようなものばかり。
しかしポップな絵柄とやたらとハイテンションなカミタニ氏自身のキャラクターが、悲壮感を吹き飛ばす。いい意味で現実味がないから、他人の不幸だって笑うことができる。
1カ月間の短期集中連載だったこの作品は、大きな反響を得てめでたく本格的な連載へと昇格したのだ。
連載昇格後初のエピソードで暴露されたのが、短期集中連載時の内容は「遺書のつもりで描いた」という衝撃的すぎる事実だった。
初連載が遺作……夭折の天才みたいなエピソードだが、カミタニ氏には長生きしてほしい。
何にせよあれだけ包み隠さず自分を描いたのも納得の理由だ。
その捨て身で、洗いざらいぶちまける潔さがこの作品の魅力であることは疑いようがない。
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©Miki KAMITANI 2018