明日発売の新刊レビュー
『魔装番長バンガイスト』霧隠サブロー セオリー無視のヒーロー漫画は、プロレス愛に満ちている
yomina-hare編集部
プロレスのような熱量と衝動
そもそも霧隠サブローという漫画家の存在を知ったのは、松浦だるま氏の『累-かさね-』だった。
霧隠サブロー氏は松浦氏のアシスタントを務め、『累-かさね-』単行本巻末に『HABUTA』というおまけ漫画を描いている。『累-かさね-』本編に登場する中年キャラが、プロレスラーばりのマッチョな存在になっていて、暴れ回るクレイジーな内容だ。
プロレスと筋肉への偏った愛が感じられ、『累-かさね-』の単行本を買うひそかな楽しみでもあった。
『魔装番長バンガイスト』からも、その破天荒な作風と、プロレス愛は感じることができる。むしろますます磨きがかかっている。
この作品は、ギャグ漫画ではなくヒーロー漫画だ。あるいはプロレスのような超展開を繰り返しては、読み手に「どうだ!?」と語り掛けてくるバトル漫画だろうか。この荒々しくもアツい衝動は理屈じゃない。
ならばわれわれ読者も、それを全身で受け止めるべきではないだろうか。
今日まで体系化され洗練した漫画を読み慣れていると極めて異質だが、妙に中毒性のある作品であることは断言できる。
リイド社 (2017-12-25)
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©霧隠サブロー/リイド社