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後輩の目線、大人の目線

「2年なんてあっという間なのに こんなので私は信頼される保育士さんになれるんでしょうか」

すずめがしばしば漏らす言葉には、社会人一歩手前の時に抱えがちな、時間の喪失感と焦りが見られる。
ところがそれに対し、マイペースな奈々緒は答える。

「2年って短いけど 24ヶ月って考えると長く感じないかな? 730日 もっと長いね このアパートで過ごして学校にいく毎日をどういうふうに過ごすかは自分しだいなのよ そう考えるとワクワクしない?」

社会人として働くしおりは、ものすごい勢いでアプローチしてくるさちに対し「子どもはいつだって大人に憧れる」と考える。

「お酒が呑めて 車に乗れて スーツを着て会社に行く 自分にできないことができる人に憧れるんだ」
「スーツを着た私に憧れを持っただけ それだけ」

一方、1年のさちは「他の子と一緒にしないでくださいね しおりさんのこと 本気ですから」と明言。しおりの大人の諦念に、真っ向から向かってくる。

たった2年の短大生活、アパートの大家の娘のことなんて覚えてない、というしおりに、さちは強く言う

全員「時間」「人を好きになること」の視点が違う。
どれも間違っていない。見る角度が違うだけなのが、この作品のキモだ。

キャラそれぞれの、変化に対して抱く不安は重い。しかしそこまで空気はウェットではない。案外なんとかなるよ、という余裕も、年長組を通じて表現されているからだ。
女子の先輩後輩モノが好きな人には、ぜひ読んでほしい作品だ。

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©梅原うめ/一迅社