明日発売の新刊レビュー
『まんが家cherry！』さふぁ太 気弱女子と突飛な仲間のガチンコまんが道
たまごまご
絶妙な萌えとシリアスのバランスで、漫画家のたまごの悩みを描く
漫画家アシスタント見習いの桜井春香（さくらい・はるか）。売れっ子漫画家の元で、デビュー目指し日々ペンを動かす。そんな彼女を励ますのは、個性的すぎる現場の仲間たちだった。
手前のヒロインに比べて、後ろに描かれている職場の面々はかなり個性的！
「まんがタイムきららフォワード」で連載されているさふぁ太氏の『まんが家cherry！』の単行本第1巻が明日11月9日に発売される。
芳文社 (2017-11-09)
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シビアな漫画制作の悩み
うまく描けない絵に悩むこともあれば、担当編集者にクソミソに言われることもある。メンタルが頑丈ではない春香は、迷走の繰り返し。
幾度も苦悩するヒロインたち。マンガを描くのは楽じゃない
かわいい絵柄で、かなりシビアに漫画制作現場の様子が描かれる「漫画家まんが」。あとがきによると「自分のこれまで経験してきたこと、またこれから経験していきたいこと」を描いているとのこと。
例えば一緒に働く凄腕チーフアシスタントの可憐センパイ。デビューが決まり、いざ読み切りを執筆……という段になって、自分を急激に見失う。
プレッシャーで全く描けなくなり、体調を崩してしまう可憐。締め切りのときは迫る
実際に漫画家が抱えがちな生々しい悩みが次々出てくる。ひりつくシーンは多い。
しかし全体の空気はとてもポップで、読みやすい。
これは春香以外の人間に濃すぎるキャラ付けをして、画面の雰囲気を明るくすることに成功しているからだ。
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©さふぁ太／芳文社