新連載レビュー
『いこくい!!』みにまる 女子高生コンビのワクワク異国ごはんレポート
中山賢司
目で「カワイイ」と「美味しい」を味わう至福
見たこともない料理を食べるのは、知らない国を旅するくらいワクワクする。
誰かと楽しくおしゃべりしながらならば、それは何倍にも膨らむものだ。
家庭用ゲームのイラストやアンソロジーコミックで活動を続けてきたみにまる氏。初の定期連載『いこくい!!』は、女子高生ふたりが、見慣れぬ異国の料理を食レポする「カワイイ」と「美味しい」が詰まった作品。第1話である「Dish.1」の前編は10月18日、後編は11月1日から「コミックガム」で公開されている。
ゆるふわ食レポコンビ結成
料理が好きな女子高生・成宮(なりみや)かざりは、料理研究家という野望を胸に秘め、ティーン向け雑誌「クロエ」の新企画「女子高生 異国ごはん巡り」のレポーターに応募し採用される。
しかし、意気込むかざりに「クロエ」の副編集長・橘渚(たちばな・なぎさ)はひとつの条件を提示する。それは、彼女の知人の娘で、帰国子女の月島(つきしま)エレナ、通称・エリーとパートナーを組むこと。
真面目にレポートに取り組もうとするかざりに対して、マイペースでイマイチやる気に欠ける態度を見せるエリー。ふたりが、「異国ごはん」のレポートに挑戦する姿が描かれる。
知らず知らずに支え合うふたり
かざりとエリーが最初に向かったのはエジプト料理店。お題は、米やパスタ、豆類、玉ねぎにトマトソースを和えるエジプトの国民食「コシャリ」。
初めての仕事、初めて入る店、初めて目にする料理に戸惑うかざりは、レポーターとしての仕事を全うしようとするプレッシャーから、店の前で動けなくなってしまう。一方、頼りなさそうに見えたエリーは、実は根っからの食べ好きで、持ち前の物怖じしない性格。どんどん前に進むエリーを見て、かざりも自分を取り戻す。
料理研究家を志すだけあって、いわゆる食レポのお約束はばっちりなかざり。
エジプト在留経験を生かして、コシャリに酸味や辛味などの調味料を加えるアレンジを提案したり、ヘルシーなモロヘイヤスープを勧めるなど、知らず知らずのうちにレポーターとしての役割をしっかりとこなしていくエリー。
それぞれの女の子の性格や個性を生かした役割分担がきちんとなされている印象だ。
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©みにまる/ワニブックス コミックガム