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『わたしの巨人くん』香坂みり 高身長はもはや「怖い」?少女漫画のベタをアップデート

小林聖

ヒロインこそが王子様を救う

そして、もうひとつのポイントはヒロイン像だ。

これも「巨人くん」というタイトルにそのニュアンスが表現されているが、主人公・唯にとって鷹峰くんはあくまで後輩なのだ。バイト先でも「いい先輩」になろうとして面倒を見るし、どんなに身体が大きくて怖そうでも、鷹峰くんを弟とダブらせて考えたりしている。

ここでの鷹峰くんは「無愛想だけど実は(私には)優しい」ではなく、「怖そうだけど、実は不器用な子ども」というイメージに近い。

終盤の天然感のある鷹峰くん。怖さが抜けて、かわいい感じに

だから、物語を引っ張っていくのも唯だ。

困っているときに助けるといった場面は、恋物語の重要なポイントになるが、『わたしの巨人くん』ではバイト先で先輩に絡まれる鷹峰くんを唯が助けに行ったりと、ヒロインの方が王子様役を助ける形になっている。

「困ったら」「私のところに来いっていったでしょ……?」。主人公・唯は優しくて気弱だけど、勇気を持った女の子。かわいくて、「かっこいい」ヒロインだ

恋愛漫画は、恋する相手のキャラクターに注目が集まりがちだが、主人公自身にも共感できなければ当然読み進められない。少女誌であれば、常にヒロインもアップデートを求められているのだ。

『わたしの巨人くん』は、ベタな展開のなかで、さらりと「なりたい自分」を今に合わせてアップデートしている。だからこそ、ヒロインとその恋に感情移入できる。

そういうアップデートされたキャラクターと関係性を発見できるルーキーが、今後どんなものを描くか、注目している。



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©香坂みり/集英社マーガレットコミックス