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『ランウェイで笑って』猪ノ谷言葉 無理を覆し、夢への道を進むふたり

ふな

支え合える存在へ

千雪がモデルへの道を再び歩みだしたように、育人の前にもデザイナーへの道が開かれる。
千雪の父の紹介で、若手有望デザイナーのもとで働けることになったのだ。

目の前で破られる衣装。自分の仕事が、全否定された瞬間だった

厳しいプロの現場。育人が進むべき道を見失いかけたときに、今度は千雪の存在が彼に道を示す。この展開が非常に熱い。
側にいなくても、支えることができるのだ。

彼らは、同じ業界にいても、戦うフィールドはそれぞれ異なる。
戦っているそのときに、隣にはいられない。
しかし夢へと向かう姿を思い出すことはできる。

挫けそうになった育人を奮い立たせる千雪の存在。それは離れていても変わることはない

千雪の幻は、育人と反対を向いていた。
彼女の視線の先にこそ、育人の進むべき道があると思ったのではないだろうか。
しかし千雪はあくまで方向を示すだけだ。道を切り拓いて進むのは、他でもない育人自身の役目なのだ。

彼らは今後も、いくつもの困難に直面するだろう。
挫けそうになるその度に、今もどこかで頑張っているであろう相手のことを思い出して、立ち向かっていく。
そんな関係性を期待してしまう。



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©猪ノ谷言葉/講談社