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『はなまる魔法教室』井上知之 魔女先生が勇気をくれる、やさしい魔法の物語

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魔女の先生は、僕たちの中身を見てくれている

そのときマーヤ先生が着目したのは「偶然に芽生えた魔法の能力」ではなく、八起自身の中にあった「想像力」だった。バカにされながらも小さいころからひとりで本を読み、イメージをめぐらせて培ってきた、八起だけの想像力。

魔女でさえ及ばない力が、八起にもあった。それを、見てくれていた

マーヤ先生は言う。

「特別なのは、魔法だけじゃない」
「みんなの色々な『すごい』を見てみたい」

……彼女は魔法の力を使いながら、1人ひとりのいいところを、つぶさに見つめていたのだ。
そうしてマーヤ先生は自信と勇気をくれる。6年2組のみんなに、悔しくて泣いていたあの日の私たちに、今日を生きている子どもたちに。

先生がいちばん大きなはなまるをくれたのは、誰も褒めてくれなかった“僕だけ”の「すごい」だった。



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©井上知之/小学館