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宇宙人は恋愛感情を得てセックスできるのか!?『その日、宇宙は地球を知る』中島こうき

川俣綾加

目指せ! 有性生殖!!

恋愛を研究しにやってきたクラゲ星人の心理学者ルテラ・ルンタッターン。同じくクラゲ星人で生物学者のスーア・スーダララッターとともに、地球人女性との恋を実らせるべく奮闘する。
恋とは? 付き合うとは? セックスとは──。

左からクラゲ星人のスーア、ルテラ、そして彼らのモルモットに選ばれてしまったムッツリ少女・愛恋(あいこ)

「くらげバンチ」で連載中の中島こうき氏による愛と性を真っ向から描いた珍妙ラブコメ『その日、宇宙(わたし)は地球(こい)を知る』第1巻が明日2月9日に発売される。

有性生殖の鍵、それは恋愛だ!

絶滅の危機に瀕したクラゲ星人。数を殖やし、絶滅を免れるためには有性生殖を実現するほかない。そして有性生殖のキーとなるのは、恋愛感情。

知的生命体のなかでも、有性生殖であり、恋愛感情によって遺伝子の交配相手を見つける地球人に目をつけたルテラたち。イケメン男子高校生「佐藤悠太(さとう・ゆうた)」として地球に潜入した彼とスーアは、奥園愛恋(おくぞの・あいこ)という少女を調査対象とし接近することに。

女性ばかりの環境で育ったため、かなりのむっつりに育ってしまった愛恋。「セックス無し」のひとことに血涙を流す

奥園は少なからず佐藤(ルテラ)に恋愛感情を抱いており、順調に関係を築いていけるかと思ったが、そこでトラブルが。恋愛が存在しない世界で育ったルテラは、ことあるごとに変態的で珍妙な行動に走ってしまうのだった。

数々の奇行を「帰国子女だから日本の常識がわからない」という苦しい言い訳でしのぐルテラ

部屋でふたりきりになった奥園に「セックスしませんか」とストレートな申し込み。保健体育の授業でセックスについて質問しまくってクラスメイトからはドン引き。

ついには、奥園といい雰囲気だったにも関わらず、告白してきた超絶天然クラスメイトの宮前歩友美(みやまえ・あゆみ)にOKしてしまう。しかもセックスしていいという許可まで(軽いノリで)! 落ち込みまくる奥園を尻目に、ついに地球人との“実践”なるか!?

「エロスで頭がいっぱいの思春期男子の脳内会議」とも読める

思春期はもちろん、大人になっても異性は宇宙人みたいなものだ。
むしろ自分以外の他人は全部そうかもしれない。恋愛感情なんてものは人によって異なるし、マニュアルが通用するものではない。

そしてルテラたち宇宙人の「とりあえずセックスする必要がある」という前提は、「とりあえずヤりたい」とエロスで頭がいっぱいの思春期男子に通じるものがある。
この物語は、見ようによっては、ひとりの男子高校生の壮大な脳内会議とも受け取れるのだ。

「愛あってこその性」は作中で何度も繰り返される言葉だ。

思いやりや恋愛感情抜きにしてセックスは成立しない。恋ってなんだ? 付き合うにはどうしたらいいんだ? どうすれば、あわよくばセックスに持ち込めるのだろう?

ルテラのなかに微かに芽生えた気持ち。恋を知る日はやってくるのか?

読めない相手の反応。これはOKなのか、NOなのか。なんだか知らないうちに避けられているがどういうことだろう。自分が何かしでかしたのだろうか?
ルテラは理解できない状況に何度も遭遇するが、その度に考え続ける。

ひとりの少年が焦ったり落ち込んだり、恋と性を必死に考える姿は滑稽と同時にとてもかわいらしい。これは間違いなく、愛と性のバイブルとなるだろう。



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©中島こうき/新潮社