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保谷伸『マヤさんの夜ふかし』深夜の魔女は普通の女の子…自堕落な日常と友情を描く

小林聖

彼女は魔女、だけどちっとも魔法を使わない

「ただひとつ違っていたのは、奥様は魔女だったのです」

そんなナレーションから始まるドラマが一世を風靡してから半世紀以上。魔女というモチーフは今なお人気がある。

保谷伸氏が「WEBコミックぜにょん」で連載中の『マヤさんの夜ふかし』もそのひとつ。単行本第1巻は、明日10月20日に発売だ。

魔女は普通の女の子だったのです

『奥さまは魔女』にならって表現するなら、『マヤさんの夜ふかし』でひとつだけ違っていたのは「魔女は普通の女の子だったのです」という感じ。
実は世界を救ったりもしている魔女のマヤさんだけれども、普段はすっかり現代社会になじんでいる、普通の……というより普通よりちょっと自堕落な女の子だ。

ネット通販にハマってみたり、引っ越すあてもないのに賃貸サイトを見てしまって夢を膨らませてみたり、冷蔵庫を賞味期限切れの食材の魔窟にしてみたりと、一見するとちっとも魔女に見えない日常を送っている。
肝心の魔法の方も、使うと体力を消耗するだけでなく、使うたびに腸内の善玉菌が死滅していきお腹を下してしまうというデメリットがある。
たいがいの場合、現代の科学の方がよほど便利だったりする。

マヤさんが魔法を使おうとした貴重な場面。何を我慢していて何をペットボトルに転移させようとしているかは彼女の名誉のためにここでは伏せる

『マヤさんの夜ふかし』は、そんなマヤさんが友人・豆山と深夜にチャットしながらダラダラ話す様子を描いている。
「無駄に魔女」なマヤさんの生活がおかしい作品だ。



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魔女にともだちができるまで。 & 試し読み


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©保谷伸/NSP 2016