まとめ
先週のオススメ初単行本(2018.3.11〜3.17)
yomina-hare編集部
先週発売されたオススメ初単行本2選
先週、初めての単行本を発売し、漫画業界という大海原で更なる一歩を踏みだした新人漫画家がいる。
そんな記念すべき初単行本中から、「yomina-hare」的に大注目の作品を2つご紹介!
『ばけじょ! ~妖怪女学園へようこそ~』五味まちと
小学館 (2018-03-12)
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憧れの先輩を追いかけた先は、妖怪だらけの女子校でした
「サンデーうぇぶり」で連載中の妖怪×百合な4コマ漫画『ばけじょ! ~妖怪女学園へようこそ~』の第1巻が発売された。著者の五味まちと氏は『天野めぐみはスキだらけ!』のねこぐち氏のアシスタント出身。単行本には師匠であるねこぐち氏と、師匠の師匠にあたる『常住戦陣!!ムシブギョー』の福田宏氏からのお祝いイラストが収録されている。
『ばけじょ!』は、憧れの先輩・新井あずきを追いかけて、教師も生徒も妖怪ばかりの「ようかい女学園」に入学してしまった人間の女の子・薬津みことの日常を描く。
あずきの正体は、名前からもお察しのとおり妖怪・小豆あらい。他にもなまはげや雪女といったメジャーなものから、すねこすり、さとりといったちょっとマイナーなものまで多様な妖怪が登場する。
ほぼすべてのエピソードに新キャラが登場し、学園の賑やかさはとどまるところを知らない。モチーフとなった妖怪の特徴を残しつつ、かわいいキャラクターを生み出し続ける五味氏の引き出しの多さは圧巻だ。
賑やかな学園生活も楽しいけれど、あずきとみことの関係がやはりネック。
相思相愛なふたりだけれど、どんどん周囲の妖怪たちと打ち解けていくみことにあずきは嫉妬を覚えることも。ふたりの関係が、まわりを巻き込みつつどのように変わっていくのか楽しみだ。
『コンプレックスフェイクスター』ねじがなめた
一迅社 (2018-03-15)
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憧れのあいつが、俺のために枕営業?
一迅社のBL誌「gateau」に連載された、ねじがなめた氏の初長編が単行本化された。
アイドルグループ「ポラリス」のメンバー、三浦勇真(みうら・ゆうま)ことミューと深町純(ふかまち・じゅん)。
「顔だけセンター」と言われ続けるミューと、ホモと罵られた辛い過去を持つ純。劣等感を抱きながらアイドル活動を続けるふたりは、互いに憧れを抱いていた。
ある日ミューは、自分をセンターにするために、純が枕営業をしていたこと知ってしまい……。
芸能界、売れないアイドル、枕営業……。
そんな言葉から連想される悪い出来事全部乗せみたいなトラブルが、ミューたちを全力で殴りつける。どんなにミューたちが足掻こうとも、簡単にふたりを押しつぶしてしまう。
そうやってボロボロになっていくなかで、剥き出しにされる彼らの願いは、驚くほどシンプルで、だからこそ力強くて切ない。
「自分を見てほしい」
「受け入れてほしい」
次から次へと押し寄せてくるの苦難の連続に、読んでるこっちもボロボロになっているところに、この叫びがグサリと刺さる。
ふたりの想いの行き着く先を、どうかボロボロになって見届けて欲しい。