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新島秋一『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』方言少女がおしゃべりすると、みんな自然と笑いだす

籠生堅太

方言女子はかわいい! 異論は認めません!!

「なまら」「だっちゃ」「だべ」「じゃけん」……方言もいろいろあるけれど、今回ご紹介するのは博多弁をしゃべる女の子が主人公。

博多から東京へ転向してきた博多乃どん子
朝は家族でうまかっちゃん(ハウス食品のインスタントとんこつラーメン)、銘菓・ひよ子は福岡名物だと信じ、しゃべる言葉はバリバリの博多弁という純度100%の博多っ子だ。

かわいい子が、方言をしゃべる。鬼に金棒的無敵感がある

そんな彼女を中心に、東京で再会した幼なじみの東京(あずま・みやこ)新しくできた友人の下町子(した・まちこ)の2人を交えて描かれる方言少女4コマが、11月18日に単行本が発売される、新島秋一氏『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』

素直になれる魔法の言葉

どん子の口から飛び出す博多弁はかなり濃い。
東京生まれのまち子はもちろん、幼稚園のときに博多から東京に引っ越してしまった京にも何を言っているのかわからないこともしばしば。

そんなことはお構いなしに、元気いっぱいにしゃべりまくるどん子がとにかくかわいい。
おしゃべりの内容は、特別なものじゃない。「海に行くのが楽しみだ」とか「かき氷食べたい」とか、そんな他愛のない会話でも、なぜかかわいく思えてしまう。

ちょっと照れくさい言葉でも、すんなりと受けいれられるのが方言のもつ力

それが方言の持つ力なのかもしれない。
標準語で話しをすると、ちょっとした言い回しやイントネーションの違いなどから、ついつい言葉の裏側にある意図を探ってしまうようなことがある。たとえ相手が本心を語ってくれていたとしてもだ。

そうした聞く側の無意識のフィルターを、方言は取り払ってくれる。
慣れ親しんでいる言葉とは違ったリズムや、たまにまざる知らない単語。適度な異物感に意識が集中して、相手の言葉がそのままスッと心に収まる。
聞く人の心を素直にする魔法みないた力が方言には宿っている。

方言は掛け算!

方言をしゃべるから魅力的なんじゃない。
魅力的な女の子が方言をしゃべるから、何倍もかわいく見えるのだ。

どん子の表情は、コロコロと変わる。
泣いたり、怒ったり、ドヤったり。思ったことがすぐに顔にでてしまう。
ただでさえ人一倍素直な彼女が、方言でストレートに本音を語る。
こんなまっすぐな女の子、放っておけるわけがない。

赤点をとったら夏休みに福岡へ帰れない!? 思わず涙目になるどん子ちゃん

まだまだ東京に不慣れで、ときには落ちこむこともあるどん子にむけられる京とまち子の暖かい目線は、読者がどん子を見守る目線に重なって心地よい
彼女が博多弁でしゃべり出すと、キャラも読者もつい笑顔になってしまう。



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©新島秋一(チャンピオンクロス)