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年下男子を応援すれば、心がスッと軽くなる。今注目の「年下男子」漫画特集!

川俣綾加

がんばる年下男子に心が洗われる!

最近じわじわと人気を集めつつあるのが、年上女性と年下男子とのさまざまな関係を描いた漫画だ。

yomina-hareでも紹介した『マイナス温度のセレナーデ』『ヤンキーショタとオタクおねえさん』、そして「まんが史上最も美しい第一話だ」と話題沸騰の『私の少年』など話題作が次々と登場している。

『マイナス温度のセレナーデ』(市川なつを)より。突然できた義姉・かおるに一目惚れの翔太。「好き」って気持ちを少しも隠さない真っ直ぐさが、カワイイ

年上女性と年下男子の物語の先にあるのは、浄化
浄化なんて言葉で表現してしまうと大げさかもしれない。年下男子ががんばる姿は「ああ、心が洗われるようだ!」と爽快感ともいえる絶大な癒し効果がある。

年下男子は応援したくなる

このジャンルが人気である大きな理由、それは少年のひたむきな姿だ。

大人のひたむきな姿ももちろん心惹かれるが、少年はまだまだ子どもで不器用、危うさもある。
部活に励む少年であれば努力が実るよう応援したくなり、恋に一生懸命な少年であれば想いが少しでも伝わるよう声援をおくりたい。

『私の少年』(高野ひと深)より。猛練習したけれど、サッカーチームのレギュラーになれなかった真修。それでも一生懸命、仲間を応援する姿が胸を打つ

思わず頭をなでて「がんばれ!」と声をかけたくなる、庇護欲とも母性とも恋とも説明のつかぬ何か。まだまだ子どもだけれども時に見せる男の矜持にキュンとしながら、とにもかくも最後には幸せになって欲しいという気持ち。

必死の告白も「弟として好き」とかわされてしまった翔太。「年の差」という越えられない壁に挑む姿からは“男らしさ”も感じる

男らしさも包容力も力強さも、なくったっていい! そこも全部カワイイ! そう思える、ひたむきな男の子は心の底から応援したくなる不思議な存在なのだ。

年上女性と年下男子の組み合わせがイイ!

年下男子から年上女性へのアプローチを描いているものもあれば、母性なのか家族愛なのか、ひとことでは言い表せない複雑な関係を描いた作品も。その関係がどんな風に発展していくのかは、作品ごとに異なる。

年下男子目線で描いてあれば「応援したい」気持ちが真っ先にくるが、これが年上女性からの目線で描かれている場合は、子どもとの対比で大人ならではの様々な事象が浮き彫りに。
自分を取り巻く環境についても直視することになるのだ。

『ヤンキーショタとオタクおねえさん』(星海ユミ)より。ヤンキー小学生・愛川君に懐かれてしまったオタク女子・かづ子。「推しのショタ」を「押野翔太」と勘違いしてヤキモチを焼いた愛川君に詰め寄られたり、歳下男子の行動に振り回されっぱなし

今とっている行動は果たして正しいのか、それが何を意味するのか自分自身でもわからず戸惑ってしまったり、少年の無自覚な言動にあれこれ悩んでしまったり。
同時に、少年のまっすぐな優しさや純粋な気持ち、行動力に心動かされて変化が起きる。その先にあるものとはなんだろうか。

かわいい男子が、がんばっているだけで、心が洗われる。「そーいうもんなの!」だ。

読者の多くは少年の目線よりは大人側の目線に立つだろう。
その時、とても応援したくなる誰かがいることは、年下男子がもたらしたポジティブな感情だ。心が洗われたあとは、なんだか自分も前向きになれる気がする。そんな読後感が待ち受けている。

©市川なつを/COMICポラリス ©フレックスコミックス
©高野ひと深/双葉社
©Yumi Hoshimi/SQUARE ENIX