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『BACK TO THE 母さん』降本孟 マザコン息子が時をかけ、アイドル母さんをプロデュース!?

小松良介

過去に戻って母さんの笑顔を守りたい

過去にタイムリープした優は、母を元に戻すために映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と同じ「過去改変」を行おうとする。ストーリーは毎回、優があの手この手でタイムリープして、尊子の青春時代に干渉、過去と、そして未来を変える流れで進行していく。

母親への想いが高ぶると、タイムリープしてしまうらしい

ただ、そこは重度のマザコン。母親を前に彼は黒子でいられない。アイドル活動や学校生活といった母親の青春時代に積極的に介入してしまう。
第1話では車に引かれそうになった尊子に対し、助けに入った未来の父親を押しのけて自分の手柄にしてしまった。
まさに主人公が両親の恋愛をサポートした『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の逆転現象だ。

母さんのためなら何だってする!

優のマザコン設定は本作にとって重要な要素である。

優は尊子がオーディションで不合格になれば乱入して異議を唱え、写真撮影では彼女の緊張をほぐし自然な笑顔を引き出そうと奮闘する。彼女に学校生活の思い出を残してあげようと部活動まで斡旋してしまった。
さながらプロデューサーか親衛隊か、それ以上の活躍ぶりである。彼のマザコンは尊子への無償の愛であり、アイドルを応援するファンの心理にも似ている。

優のプロデュースにより撮られた最高の1枚が写真集の表紙に。過去が変われば、当然未来でも表紙は変わる

母親がなぜ変わってしまったのか? その原因は謎のままだが、過去改変によって現代の母親にも若干の変化が起きている。
そのため優のやる気は俄然高まっているが、一方で彼の積極的干渉はよくないバタフライ・エフェクトを起こす可能性もある。
また若き日の母と未来の息子の間に恋が芽生えるのか、今後の展開に期待が高まるところだ。

タイムリープするごとに、若花田(若いころの花田の略)とラッキースケベな展開になる優。しかし真のマザコンは母以外の女性に見向きもしない

ただ個人的にはサブヒロイン・花田花澄(はなだ・かすみ)の存在が気になって仕方がない。
現代では嫌味なおばさん、過去ではラッキースケベを連発するも、優にはまったく相手にされない損な役回り。にもかかわらず優に対する恋愛パラメーターがなぜかぐんぐん上昇中。とにかくややこしい設定の存在だ。
そんな彼女が一肌脱いで、優の物語にどう絡むのか、ひそかに注目している。



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©降本孟/小学館・ビッグコミックスピリッツ連載中